電磁過敏症(電磁波過敏症)とは?WHOの見解と、気になるときの考え方

コラム

電磁波が原因ではないかと感じて、頭痛やだるさ、めまいなどを訴える方がいます。そのような状態は、「電磁過敏症(電磁波過敏症)」と呼ばれることがあります。この記事では、電磁過敏症とは何か、WHOの見解、研究結果、気になるときの考え方を、公的な情報をもとに整理しました。

朝の光が入る、静かな和室の寝室

電磁過敏症とは

電磁過敏症(EHS)とは、送電線や家電製品、携帯電話などから出る低いレベルの電磁波にさらされることが原因で、症状が出る、と訴える状態を指します。訴えられる症状には、次のようなものがあります。

  • 皮膚の症状(赤み、チクチクする感じ、焼けるような感じ)
  • 神経衰弱の症状
  • 自律神経の症状(だるさ、めまい、動悸)

(出典:電磁界情報センター「電磁過敏症」)

WHOの見解

WHO(世界保健機関)は、2005年にファクトシート No.296「電磁界と公衆衛生:電磁過敏症」で、次のように結論しています。

  • 電磁過敏症には、明確な診断基準がなく、電磁過敏症と電磁界へのばく露を結び付ける科学的根拠は存在しない。
  • 電磁過敏症は、医学的な診断ではなく、単一の医学的問題かどうかもわからない。

一方で、訴えられている症状そのものは、現実にあるものとして扱われています。症状がつらいことは、否定されていません。

これまでの研究でわかっていること

電磁界にさらされているかどうかを、本人にわからないようにして調べる「二重遮へい」の研究が、行われてきました。電磁界情報センターは、その結果を、次のように説明しています。

  • 電磁過敏症を訴える人と、そうでない人とで、電磁界を感じ取る能力に、差は見られなかった。
  • 電磁界にさらされていない状況でも、さらされていると思い込んで、症状が出る場合がある。
  • 空気の質、騒音、照明などの環境の要因や、ストレスによる反応が、関係している可能性がある。

(出典:電磁界情報センター「電磁過敏症」)

この記事では、電磁波と症状の関係について、「ある」「ない」のどちらとも言い切りません。研究の結果を、そのままお伝えしています。

気になるときの考え方

  • 症状がつらいときは、医療機関に相談する:症状の原因は、さまざまです。医療機関で、症状そのものを診てもらうことが、大切です。
  • 環境を見直してみる:換気や、照明、騒音など、身のまわりの環境の要因を、見直す方法があります。
  • 電磁波が気になる場合の工夫:気になる方は、電気を使う機器を体から離して置く、寝室に置く家電を見直す、といった選択肢があります。電磁波の基礎知識は、「電磁波とは?種類・身のまわりの発生源・国の基準をやさしく整理」 をご覧ください。

医療機関では、電磁界をなくすことを目標にするのではなく、健康の症状に焦点をあてて対応し、普段の生活や仕事に戻ることを目標にするのがよい、とされています。(出典:電磁界情報センター)

よくある質問

Q. 電磁過敏症は、病名ですか?
A. WHOは、電磁過敏症を、医学的な診断ではないとしています。症状がつらい場合は、医療機関で相談してください。

Q. 電磁過敏症と電磁波は、関係がありますか?
A. WHOは、電磁過敏症と電磁界へのばく露を結び付ける科学的根拠は存在しない、としています。研究の内容は、上の「これまでの研究でわかっていること」をご覧ください。

Q. 電磁波にさらされていない状況でも、症状が出ることはありますか?
A. 電磁界情報センターは、さらされていない状況でも、さらされていると思い込んで症状が出る場合がある、と説明しています。

Q. 症状があるときは、どうすればよいですか?
A. 医療機関に相談してください。医師が、症状に応じて対応を考えます。

電磁波の種類や国の基準は 「電磁波とは?種類・身のまわりの発生源・国の基準をやさしく整理」、スマートフォンやWi-Fiの電波は 「スマートフォン・Wi-Fiの電波は?」、家電から出る磁界は 「電気カーペット・電気毛布・ドライヤーの電磁波は?」 で紹介しています。

まとめ

電磁過敏症は、低いレベルの電磁波が原因で症状が出る、と訴える状態です。WHOは、診断基準がなく、電磁界へのばく露と結び付ける科学的根拠は存在しない、としつつ、症状そのものは現実のものとして扱っています。症状がつらいときは、医療機関に相談してください。

※ 写真はイメージです。

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