
卵 ※写真はイメージです
卵の黄身が濃いオレンジ色をしていると、良い卵だと思われがちです。これは正確ではありません。黄身の色は、鶏が何を食べたかで決まります。そして、後から色だけを濃くすることもできます。卵について書かれている数字のうち、何が中身を表していて、何がそうでないのか。パックの表示から順に見ていきます。
黄身の色は、飼料の色
鶏は黄色い色素を自分で作れません。食べたものから取り込んで、卵黄に移すだけです。とうもろこしを多く食べれば黄色く、パプリカやマリーゴールドの色素を飼料に入れれば、さらに濃いオレンジになります。
だから色は、栄養価とも、鶏の飼い方とも、直接は結びつきません。実際、米を主体に育てた鶏の卵は、黄身がほとんど白に近い淡い色になります。味が薄いわけではありません。
黄身の濃さは品質ではなく、鶏が食べた色です。
色を測る「ヨークカラーファン」という物差しもあり、番号で指定して出荷されることもあります。つまり色は、狙って作れる数値です。判断の材料にするなら、色よりも、飼料に何を使っているかの表示のほうが確かです。
賞味期限は、腐る日ではない
卵の賞味期限は「生で食べられる期限」として決められています。サルモネラ菌が増えるまでの時間から逆算したもので、切れた瞬間に食べられなくなるという意味ではありません。
期限を過ぎた卵は、加熱すれば通常は問題なく食べられます。目安として中心まで70度で1分以上。ゆで卵、炒り卵、火を通す菓子なら、そちらに回すのが普通の使い方です。
もうひとつ、賞味期限は保存温度を前提に決められています。夏場に常温で置いた卵と、冷蔵庫の奥に置いた卵では、同じ日付でも状態が違う。買ってきたらすぐ冷蔵庫へ、というのはこのためです。
- 採卵日が書いてあるか
- 賞味期限だけの表示が大半ですが、採卵日や包装日を書いている生産者もあります。書いてあれば、そのほうが情報として正確です。
- とがったほうを下に
- 丸いほうには空気の部屋があります。とがったほうを下にして置くと、黄身が中央に保たれやすい。
- 洗わない
- 殻には目に見えない膜があり、洗うとこれが落ちて雑菌が入りやすくなります。汚れているときだけ、使う直前に拭いてください。

割ったときに分かること
新しい卵は、割ると黄身が高く盛り上がり、白身が二層に分かれて見えます。外側のさらさらした水様卵白と、内側の盛り上がった濃厚卵白。時間が経つと、この濃厚卵白がほどけて、全体が平たく広がります。
この高さを数値にしたものをハウユニットといいます。業務ではこれで鮮度を判定します。家庭では、平らに広がるかどうかを見れば十分です。
白いひものようなカラザは、取らなくて構いません。黄身を中央につなぎとめている部分で、食感が気になるとき以外は、そのまま使って問題ありません。
ゆで卵にするなら、逆に少し古い卵のほうが向いています。時間が経つと殻の内側との間に隙間ができ、むきやすくなる。新しい卵はきれいにむけません。用途で使い分けてください。
サイズは、白身の量の差でしかない
S・M・Lという区分は、卵一個の重さで決まっています。MとLの差は約6グラム。ところがこの差の大半は白身です。
黄身の大きさは、鶏の週齢が上がってもほとんど変わりません。変わるのは、そのまわりにつく白身の量のほうです。つまり若い鶏ほど小さい卵を産み、年をとるほど大きな卵になる。中身の黄身は、どちらもほぼ同じ大きさです。
だから黄身を使う料理では、Lを買うよりSやMを数多く買ったほうが理にかないます。プリンや卵黄を使う菓子では、この差が出ます。逆にメレンゲや卵白を使うなら、Lのほうが効率がいい。
グラム単価で見ると小さいサイズのほうが割高になることが多いのですが、黄身の数で数えると、話が逆になります。
飼い方の言葉を、もう一度整理する
ケージ飼い、平飼い、放し飼い。この三つは飼育の形の違いです。平飼いは屋内の床で飼うこと、放し飼いは屋外に出られること。ただし、どちらにも飼料についての決まりはありません。
つまり「平飼い」と書いてあっても、何を食べているかは別の話です。逆に、ケージ飼いでも飼料に手をかけている生産者はいます。二つは別の軸だと考えたほうが、表示を読み違えません。
飼い方そのものの違いは、放し飼い卵と平飼い卵の違いとはで詳しく書いています。
飼料で見るなら、確かめる言葉は三つです。非遺伝子組換えかどうか、抗生物質を使っていないかどうか、そして飼料を自社で配合しているかどうか。最後のひとつを公開している生産者は多くありません。書いてあれば、まず信用できます。
卵を買うときに見るところ
01
黄身の色で選ばない
色は飼料の色素で決まります。濃い色を狙って作ることもできるので、品質の指標にはなりません。
02
飼料について書いてあるか
「平飼い」は飼い方の表示で、食べているものについては何も言っていません。
03
採卵日か包装日があるか
賞味期限だけより、はるかに正確な情報です。
04
売り場が冷蔵か常温か
常温売り場の卵は、家に帰るまでの時間も含めて、温度変化を受けています。
05
用途を決めて買う
生で食べるなら新しいもの、ゆで卵にするなら少し置いたもの。一度に使い分けたほうが無駄が出ません。
卵を使い切る順番
買った順ではなく、生で食べる用途から先に使ってください。卵かけご飯、すき焼き、自家製マヨネーズ。日が経つにつれて、加熱する料理に回していく。
余った卵白は冷凍できます。解凍してもメレンゲは立ちます。卵黄は冷凍すると固まって元に戻らないので、味噌漬けにするか、その日のうちに使ってください。
この記事で触れた卵と、卵からつくられたもの
飼料まで公開している生産者のものを選んでいます。
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